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「未知の感覚・体験・選択肢」

木下智惠

立命館アジア太平洋大学 国際経営学部

やりたいことが見つからないことへの不安

コロナウイルスの影響で高校時代からの目標であった交換留学を断念し、空虚な気持ちを抱いていた大学2年生の夏。心機一転し、ビジネスの世界を覗こうとベンチャーでインターンシップを始め、一流企業で働く方々とサービス開発に励んでいました。一方で、時間を自由に使える「大学生」という限られた期間をビジネスの世界を知るためだけに使うことに違和感を抱いていました。なぜなら、大学2年生になってもやりたいことや、興味のあることが見つかっていなかったからです。そんな中、出会ったのがidentity academyでした。この出会いは私に想像以上の変化をもたらしました。

 

体感したことのない視野の広がり方

卒業して半年たった今でも依然として私の中に残っている感覚があります。それは理論と実践の繰り返しによる「視野が広がる感覚」です。identity academyでは日経新聞の解説や金融のプロフェッショナルな方による講義、様々な領域で活躍している方々のトークセッションといった形でインプットする機会が豊富にあります。初めて知ることが多く、インプットした情報を咀嚼するのに必死でした。インプットした内容を基に、チームでどの業界、どのような企業が今後成長していくのか議論し、仮説を持った上でポートフォリオを運用するアウトプットの機会もあります。この理論と実践の繰り返しが私の興味関心の幅を格段に広げました。今まで味わったことのない自身の視野が広がる感覚に興奮し、「新しいことを吸収する」ことの醍醐味を体感しました。

 

半年たって気が付いた賜物

何もかもが新鮮だった当時の私は自分の「世界が広がった」ことにただ素直に感動していました。半年前は、なぜidentity academyは私の人生のターニングポイントになったのか、はっきりと分かりませんでした。これが「世界が広がった」という漠然とした言葉を使っている理由です。ただ今は、特定の専門性を極めた先に見える世界を知ることができたことが大きな収穫であったと感じています。

インターンとしてベンチャーで一緒に活動していた社会人の方々は大手企業の中でも活躍されており、とても輝いていました。私は彼らと活動する中で、情報処理能力・論理的思考力・問題解決能力といった汎用性のある能力の高さに圧倒され、彼らに一歩でも追いつけるようになりたいと必死でした。ビジネスマンとしての素養を全て兼ねそろえた彼らに一種の憧れを抱いていたので、似たような道を歩みたいと考えていました。

しかし、identity academyで出会った理事の方々は異色でした。金融といった特定の領域におけるスペシャリストだったことが今まで出会った社会人との大きな違いでした。スペシャリストの考え方やモノの見方に触れた時に、深い洞察力を目の当たりにしました。突き詰めた専門領域からの物事を捉えることの奥深さを実感しました。これが半年前に抱いていた「世界が広がった」感覚の正体でした。

 

徐々に形成されつつあるキャリアの輪郭

 振り返ると改めてidentity academyとの出会いは人生のターニングポイントだったと思います。一概にゼネラリストとスペシャリストを区別することはできませんが、双方の世界を未熟ながら感じとることができたことはファーストキャリアを選択する上で有益でした。

 異なる複数の分野において専門的な知識を持ち、それらを掛け合わせることが独創性を生み、自身の市場価値を高めることに繋がるとよく言われています。世間の言葉を借りるとπ型人材です。私はこれが理想の人材だと思っていました。しかし、代表理事の森山さんと出会い、誇れるような強い専門分野を1つ持ち、その観点から他人の専門性を繋げられる人材も1つの選択肢であることを知りました。必ずしも自身が複数の専門性を持つ必要はなく、自分の専門分野の観点における知識や経験を他の専門分野を持つ人と組み合わせることで、他の専門性を補えることに気が付きました。

 以前は将来のことが定まらず周囲に流されていましたが、identity academyでの活動により自分の世界が広がり、興味のある領域が徐々に明確になってきています。今はここで体験した「視野が広がる」感覚を持ちながら、主体的に自分のキャリアを選択する姿勢を持つことができています。

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