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「世間知らずな理系院生が経済への解像度を上げた3か月」

R.N

京都大学理学研究科院生➝外資系証券

IAに入る前

IAに入る前、私は理系大学院生として研究者を目指し研究を行っていたが、そのころには様々な事情で就職する道を選び就職活動を始めていた。当時は、理系の素養が活かせるキャリアとして金融専門職をぼんやりと考えていたが、経済・金融の知識は全くなかった。それどころか、投資や金融はマネーゲームだと認識していて、ある政治家の発言が株価に影響したり、みんなが理解しやすいものほど市場価値が高かったり、などについて違和感を持っていた。

 

IAに入るときの動機

そんな中、IAに参加するきっかけとなったのは、IAの紹介セミナーであった。外資系クオンツのキャリアを持つ塾長に興味を持ちセミナーに参加した。大学の講義等で学ぶよりも、実際の人生の場面でどのように意思決定・リスクマネジメントを行えばよいかについて実践的に学べると考え、IAに参加することを決めた。また前述のように経済・金融について偏見を持っていたため、現場の最先端で活躍されていた方から直接話を聞くことで実際どのような業界なのか知り就活に活かせると考えたことも参加を決めた理由である。

 

IAでやったこと

IAに参加後は、経済知識を持たない自分でもキャッチアップできる基本的なレベルから講義がスタートした。金融詐欺の歴史や、騙されないために身近な投資を利回りで考えることの重要性など実践的な講義・議論が続いた。その中で最も良い経験になったのは実際に株投資をチームで行う実践演習である。短期とはいえ投機的な視点ではなく、過去データの定量分析だけでなく、将来的にどこが伸びそうかなど仮説を立てて議論し、売買の意思決定を経験した。振り返れば、実際に投資という意思決定を繰り返したことで、「経済的現象は後付けならいくらでも説明を付けられる」という皮肉の意味を、身をもって理解できた貴重な体験である。

 

どんな自分の中での変化

IAを通して変わった点は、経済・金融・投資の見方と経済への興味である。IAでは、歴史から学ぶことの重要性、そして矛盾するようだが、誰かの意見ではなく現在の「事実」から未来を自分で推測することの重要性を学んだ。一方で、自分で未来の経済を推測することはもちろん、現在の事実を理解するための視点(例えば指標のプライオリティ)がまだまだ不足していることも痛感し、不足しているからこそ知りたいという興味が出てきたことは大きな変化である。投資や金融に対するイメージも、その成り立ちや仕組みを理解するほどに良くなっていった。確かに投機的な市場参加者がいる一方で、大事なのは長期的視点や事実に基づいた分析であり、最終的に「自分が最も価値があるものへの投資を行うための手段」という認識に変わった。

 

時間とともにIAが自分にもたらしてくれたもの

IAが終了した後に自分の中で起こした行動で大きなことは2つある。1つはキャリアの選択である。選考に通ったことは運の要素も大きいものの、そもそも外資系証券を受けようと思えたのはIAでその存在を認識できたことが大きい。また最終的に選択する際にも色々と相談に乗って頂けた。もう1つの行動はゼミの企画である。上で述べたようにもっと経済がどのように動いているのかを実践的に知りたいと考え、IA内でゼミを企画した。大学での講義とは違い実践的なマクロ視点を日々吸収できていることは社会人になる前の基礎固めとして大変貴重な機会と考えている。

 

最後に

是非自分のような経済知識を全く持たない理系の学生が、研究以外の考える視点を得るきっかけとして参加をお薦めしたい。

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